あべのハルカスタワー館21F歯科医院あべのハルカスAKIデンタルクリニック


H様は23歳のきれいな女性で、お父様のご紹介でAKIデンタルクリニックにお越しになられました。
むし歯もなく、歯ぐきの状態も特に問題なく・・・
でも、気になるのは「親知らず」です。

「いずれ抜いたほうがいいですよ」
「えーっ!」

「ところで、なんで『親知らず』って言うんですか?」
「その歯が生えているのを、親が知らないってことよ」

乳歯は6ヶ月の頃から、下の前歯2本がまず生えます。
「可愛い!」
と親は大喜びします。
小さな乳歯がならぶ可愛い子どもなのに、もう6歳から奥歯から大人の歯に変わっていきます。
反抗期も経験し、子どもはどんどん成長しますが、口の中もどんどん大人になっていきます。
そして15歳頃に、乳歯から永久歯への生え変わりが完了します。
口の中はすっかり大人で、動物としては親離れの時期なのでしょうね。

その後、10代後半から20代前半に親知らずが生えてきます。

親離れをした後で生えてくるので「親知らず」なのでしょう。

もう一つの意味は、親知らずが生えてくる頃、親はもう死んでいない、だから「親知らず」ということです。
今の平均寿命は、男81歳、女87歳で、長生きになりました。
H様のお父様もとても若々しい50代です。
でも、明治、大正時代の平均寿命は、男42歳、女44歳でした。昭和にはいっても戦前までは、男50歳、女54歳でした。
「親知らず」が生えてくる頃、親はこの世のなく、まさに「親知らず」の歯でした。

H様親子はとても仲良しですので、
「親知らずを抜こうかと思うんだけど・・・」
とお父様に相談なさるかもしれません。

親もよく知る「親知らず」ですね。

「親知らず」は、第三大臼歯の別名です。智歯、知恵歯ともいいます。
「大人の知恵」がつく頃に生えてくる歯という意味でしょうか?
「この親知らずは抜きましょう」と歯科医はよく言いますが・・・
そもそも親知らずっていらない歯なのでしょうか?
親知らずは、最後の最後に一番奥に生えてきます。
スペースのない所に無理無理に生えようとします。
だから、まっすぐ上向きに生えることができず、横を向いていることが多いです。
頭を全部出すこともできず、半分歯ぐきに埋まっていることも多いです。
横を向いた親知らずは、他の歯をぐいぐい押して、せっかくの歯並びを崩してしまいます。
半分歯ぐきに埋まった親知らずは、磨きにくく、汚れがたまりやすいので炎症がおこりやすくなります(智歯周囲炎)。
親知らずの隣の歯も、磨きにくいので、むし歯や歯肉炎のリスクが高くなります。
「この親知らずは抜きましょう」と歯科医が言うのは、このような理由です。
では、親知らずはいつ抜くのがいいのでしょうか?
答えは、早い方がいいです。
若い骨はみずみずしく、親知らずと癒着していないので、抜歯しやすいからです。
抜歯後の痛み、腫れも起こりにくいです。
しかも若い時は、傷も治りやすいです。
もし、放っているうちに炎症が起こり、親知らずが痛んだら・・・麻酔が効きにくく、処置しにくくなります。
若い女性は妊娠、授乳中に親知らずが痛むと、内服薬に制約もあり大変です。
「この親知らずは抜きましょう」とおすすめする親知らずは、抜いたほうがいいですよ。


「親知らずは、抜いたほうがいいですよ」
という内容のお話をしましたが・・・

「親知らずは、ええとこなしみたいなこと書いてるけど、違うよ。
親知らずが役にたつケースもあるんよ」
と、娘(あきの先生)から言われました。

例えば、親知らずの1本前の奥歯がひどいむし歯で、その奥の親知らずがむし歯にもならずきれいな状態で残っていたなら・・・
ひどいむし歯を抜いて、親知らずを前方に移動させる処置が可能です。
N様は、このようなプチ矯正をなさいました。

親知らずは役立たず、百害あって一利なしみたいな扱いをして、親知らずさん、ごめんなさい。