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歯周病はどんなにおい?対処法や予防法・自分で確認する方法なども紹介

medical column

歯周病は、口臭と深い関連がある病気です。

歯周病は初期段階では自覚症状に乏しく、口臭がしてくる頃にはかなり進行しています。

この記事では、歯周病でなぜ口臭が発生するのか、どのようなにおいがするのか、自分で確認する方法や対処法などを紹介します。

自分だけでなく、時には周囲の人にも迷惑をかけてしまう歯周病の口臭について知ることで、早期発見・悪化防止のきっかけにしましょう。

歯周病とは

歯周病はどんなにおい?

歯周病は口臭の症状がある病気ですが、口の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか?

まずはじめに、歯周病について紹介します。

顎の骨が破壊されていく病気

歯周病とは、歯を支えている歯槽骨が破壊され、溶けてしまう病気です。

歯周病で失われた組織を完全に元に戻すことは難しいですが、進行を止めて口腔内の機能を保持・回復し、健康な生活を送れるようにすることはできます。

「ちゃんと歯磨きしてしばらく様子をみよう」と考え、におい始めてからしばらく時間が経っていませんか?

放置しているとどんどん歯周病は悪化するため、治療して進行を食い止めない限り、口臭は治りません。

歯磨きで出血する、歯茎が腫れる・赤いなど、口臭の他にも気が付いている症状があったら、なるべく早いうちに歯科医院を受診しましょう。

においの原因は歯周病菌と歯周ポケット?

歯周病の口臭の原因は、歯周病に罹患する大きな原因である歯周病菌と歯周ポケットです。

口臭には、病的口臭・生理的口臭・食品由来口臭の3種類があります。

歯周病の口臭は病的口臭に分類され、水を飲んだりガムを噛んだりする程度で改善する生理的口臭や、ニンニクなどの食材を食べてにおう食品由来口臭とは異なるにおいがします。

食べカスなどに含まれるタンパク質や歯茎を歯周病菌が分解する過程でガスが発生しますが、このガスのにおいが歯周病の口臭の原因です。

そして歯周ポケットは歯周病が進行するほどに深さが増し、歯磨きでは落としきれない汚れや歯垢・歯石が溜まりやすく、ガスの生産が徐々に増え、口臭はさらにきつくなります。

歯周病の治療を開始し、適切な歯垢・歯石除去と歯周ポケットの深さの改善が行われない限り、歯周病による口臭は治りません。

口臭がしてくるのは中等度あたりから

歯周病による口臭が発生し始めるのは中等度あたりからですが、そうなるまでは痛むようなこともあまりないため、発見も治療開始も遅くなりがちです。

歯周病は進行性の感染症で、歯肉炎→軽度歯周炎→中等度歯周炎→重度歯周炎の4つの段階を経て悪化していきます。

中等度なら約3ヶ月程度治療すると進行を抑えられ、治療でクリーニングをすると口臭も治まっていきます。

歯周病の口臭の原因物質の一つである『メチルメルカプタン』は歯周病の進行を助長する働きもあるため、早めに治療を始めることが大切です。

歯槽膿漏になると口臭が悪化

歯周病の最も重度の状態である歯槽膿漏になると口臭が悪化します。

歯槽膿漏の症状は以下です。

  • 歯茎の腫れ・出血
  • 歯がぐらつく
  • 出っ歯になるなど、歯並びが悪くなる
  • 歯間の隙間が目立つ
  • 歯根が露出する
  • 膿や強い口臭がある
  • 口内のネバつきなどの不快感がある

歯周病菌の中には特に重度への悪化を加速させるPg菌と呼ばれる菌がいますが、この菌はタンパク質(歯茎)や血液を分解して栄養とし、増殖します。

歯周病が進行して出血が増えるとPg菌が急激に増殖し、骨だけでなく歯茎も分解し歯槽膿漏へと悪化しますが、この際にガスが発生するのが、強くなる口臭の原因です。

また、歯槽膿漏になると歯周ポケットがさらに深くなるため、口臭の原因が重なります。

歯根が露出し、歯周組織再生療法ができなくなるなど問題も起こるため、その前になるべく早い段階での治療開始が必要です。

歯周病はどんなにおい?

歯周病はどんなにおい?

生理的な口臭とも食べ物による口臭とも違う、歯周病のにおいとはどのようなにおいなのでしょうか?

歯周病の口臭の原因となるガス(揮発性硫黄化合物)には、3つの種類があります。

そしてどのガスも、歯周病菌である口内の嫌気性菌がタンパク質成分を分解する際に発生します。

ここでは、歯周病のにおいについて紹介します。

腐ったたまねぎのようなにおい

歯周病のにおいとして最も多く表現される「腐ったたまねぎのようなにおい」の原因となっているのが『メチルメルカプタン』です。

毒性が強いため、口臭の原因のほかに歯周病の悪化にもつながると考えられていて、じつはおならにも含まれています。

また、歯槽膿漏が進行すると出やすくなる膿にもメチルメルカプタンが多く含まれています。

初期や軽度の段階よりも、進行がすすむほど濃度が高くなるにおいです。

腐った卵のようなにおい

「腐った卵のにおい」と表現されるのは『硫化水素』で、まさに卵が腐敗する際に発生します。

メチルメルカプタンほどにおいは強くありませんが、歯垢のほかに舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の汚れのにおいとしても発生しやすく、歯周病以外の生理的口臭の原因としても割合が高めです。

生ごみのようなにおい

「生ごみのようなにおい」または「キャベツが腐ったようなにおい」といわれるのは、『ジメチルサルファイド』です

海苔などにも含まれ、磯の香りのような若干の生臭さがありますが、実際は腐敗した生ごみほど強いにおいではありません。

しかしこのにおいは消化器や肝臓の疾患でも口臭として発生することがあるため、放置すると全身疾患に気付けない可能性があります。

口臭を自分で確認してみる

歯周病はどんなにおい?

口臭は自分では気付きにくく、他人には指摘しづらいものです。

ここでは、口臭を自分で確認する方法を紹介します。

コップやビニール袋に息を吹き込んで嗅ぐ

コップやビニール袋などに息を吹き込んで、いったん閉じてから、においを嗅いでみましょう。

この方法で注意したいのは、これを行うタイミングです。

朝起きてすぐの口内は生理的口臭があり、においの強い食品を食べた後などは食品由来口臭があるため、日常のにおいと区別しづらくなります。

逆に、歯磨きをした直後だと正確な口臭が分からない場合があります。

起床後少しして唾液が出てから、または歯磨き後少し時間が経ってからなど、チェックするタイミングを考えて試してみましょう。

唾液のにおいを嗅ぐ

唾液のにおいを嗅ぐ場合は、指で歯茎の溝部分や舌の上を触ったり、ティッシュでぬぐったりしてから、ついた唾液を嗅いでみましょう。

手はきれいに洗った状態で行います。使用したデンタルフロスを嗅いでみる方法もおすすめです。

口内が健康な人の唾液はほとんどにおわないため、判定しやすい方法です。

唾液が臭い場合、口臭がある可能性があります。

第三者に嗅いでもらう

家族や信頼できる人など、第三者に嗅いでもらうのは、多少恥ずかしいですが確実でしょう。

人間はにおいに慣れやすくなっているといわれているため、自分の口臭に気付けない可能性があります。

そして、実際にどの程度におっているのかは、自分だけではおそらく分からないでしょう。

お願いできる人が身近にいるのであれば、客観的な立場から確認してもらうのもおすすめです。

口臭チェッカー・測定器(市販)を使用する

口臭チェッカーや測定器が家庭にあると手軽に口臭チェックができます。

ドラッグストアやホームセンター・通販などで販売されています。

ただし、歯科医院で使用されているものと比べると、口臭以外のさまざまなにおいにも反応してしまう、結果が高すぎたり低すぎたりするなど、精度があまり高くありません。

治療中のセルフチェック程度にはいいかもしれません。

細菌検査を行う

歯周病治療をしている歯科医院では、細菌検査が受けられます。

細菌検査では、患者さんから採取した唾液や歯垢に含まれる歯周病菌の量を調べることが可能です。

主な6種類の歯周病菌のうち、2〜6種類の細菌を検出できるため、歯周病に罹患しているかどうかも判明します。

細菌検査は歯科検診で行う場合がありますが、歯科検診では歯周ポケットの深さを測ったりレントゲンを撮ったりして、多角的に診てくれるためおすすめです。

歯周病のにおいの対処法・予防法

歯周病はどんなにおい?

最後に、歯周病で口がにおう場合の対処法や、予防方法を紹介します。

歯周病の治療を行う

歯周病による口臭を治すには、根本である歯周病を治療する必要があります

クリーニングでは歯垢や歯石を除去しますが、歯石は患者さん自身で除去することは難しく、無理をすると別のトラブルを招いてしまう可能性があるため、歯科医院で除去してもらいましょう。

また、毎日きちんと磨いていても口臭が消えない人のなかには、歯周病を疑いながらもまだ受診できていない人もいるでしょう。

しかし歯周病は、治療を始めなければどれほどしっかり歯磨きしても、進行を食い止めることはできません。

歯周病による口臭を放置すればさらに症状が悪化し、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。

早い段階で治療するほど痛みや負担を抑えられるため、まずは歯科医院に相談してみましょう。

毎日の丁寧な歯磨き

毎日の丁寧な歯磨きは、歯周病予防はもちろん、初期から重度までの歯周病治療の基本です。

特に歯垢は歯の表面である目に見えやすい部分だけではなく、歯ブラシが届きにくい歯間や歯周ポケットの中などにも入り込んでいます。

特に歯周ポケットの中は歯垢が落としきれずにおいが発生しやすいため、毛先を直接入れるイメージで掻き出すように磨くのが効果的です。

歯ブラシだけでは落としきれない汚れは歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用するなど、工夫次第で毎日の歯磨きをより丁寧に行えます。

有効成分の入った歯磨き粉や洗口液を選ぶ

歯周病の口臭が気になる場合、有効成分が入っている歯磨き粉やマウスウォッシュを使うと、歯磨きの効果を底上げできます。

歯周病のケアにおすすめの成分は以下です。

歯周病菌の殺菌作用がある成分
  • IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
  • CPC(塩化セチルピリジニウム)
  • CHX(クロルヘキシジン)など
抗炎症作用がある成分
  • トラネキサム酸
  • グリチルレチン酸など
知覚過敏を抑制する成分
  • 硝酸カリウム
  • 乳酸アルミニウムなど
歯の表面の強度を上げる成分
  • フッ素

そして歯磨き粉だけでなく、マウスウォッシュにも有効成分があるものを仕上げに使うと、さらに効果的です。

定期的に歯科医院でクリーニングを受ける

歯科医院では定期的に歯科検診(定期検診)を受けることができます。

定期検診の内容は以下です。

  • 虫歯の有無をチェック
  • 歯茎の状態を検査(歯周ポケットの深さ。炎症や出血など)
  • 歯垢・歯石(クリーニング)
  • 歯磨き指導
  • 治療後の経過を確認

定期検診を3~6ヶ月に1回程度の頻度で受けていれば、歯周病を予防・早期発見できます。口臭になやまされることもまずないでしょう。

歯周病菌はクリーニングできれいにしても3ヶ月もすれば元の量に戻るため、初期の歯周病などの場合、定期検診で3ヶ月ごとに通うと口内を健康的な状態に保てます。

歯科検診に行くと歯磨き指導を受けられ、定期的にクリーニングしてもらえるため、その後は効果的なセルフケアが可能になります。

歯科医院と二人三脚でのプラークコントロールによって、健康な口内環境を取り戻しましょう。

まとめ

歯周病は自覚症状に乏しいまま進行していく病気のため、原因を知らずに口臭に悩む人も少なくないのではないでしょうか。

確かにちょっとしたメンテナンス不足や食べ物など、歯を磨けば解決するような原因での口臭も一般的にはよくあるため、病気が原因だとは気付きにくいかもしれません。

口臭が気になったら、AKIデンタルクリニック・矯正歯科医院にその悩みをお聞かせください。まずは検診で原因を見つけましょう。

歯周病の治療も予防も、プロによる処置と丁寧なセルフケアが大切です。AKIデンタルクリニック・矯正歯科医院と一緒に、健やかな口腔内環境を目指しましょう。

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