インビザラインの治療期間は?長くなる理由と短くする方法を解説
medical columnインビザラインの治療を始めたいと考えていても、どれ位の治療期間がかかるか不安だという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、インビザラインの治療期間や期間が長くなる理由、期間を短くする方法について詳しく紹介します。
インビザラインの治療期間
インビザラインの治療期間は準備期間が数週間〜数ヶ月ほどあり、全体矯正で2年〜3年、部分矯正で半年〜1年、その他に保定期間で1年〜2年ほどかかるのが一般的です。
ここでは、インビザラインの治療期間について解説します。
準備期間が数週間~数ヶ月
インビザラインを行うには、準備期間が数週間〜数ヶ月ほど必要となります。
「歯並びを治したい」といってもすぐにインビザラインを開始できるわけではなく、矯正を行うためには、まず口内環境を整えるところから開始しなくてはなりません。
例えば、虫歯や歯周病がある場合は、先に歯の治療を進めていきます。
虫歯や歯周病がある状態で歯列矯正するとうまく咬合が整わないだけでなく、矯正の効果も半減してしまうため、準備期間として数週間〜数ヶ月は見ておかなければいけません。
他にも矯正前に抜歯が必要だったり、マウスピースの作成が必要だったり、何かと時間がかかるため入念な計画を立ててから治療に入っていくと理解しておきましょう。
全体矯正は2年~3年
インビザラインの全体矯正は、2年〜3年ほどかかるのが一般的です。
ただし、インビザラインの種類によって治療期間は前後するため、次の表で目安となる全体矯正の期間を把握しておきましょう。
種類 | 症例 | 枚数 | 期間 |
---|---|---|---|
インビザライン・モデレート | 中度の不正歯列 | 最大26枚 | 1年~2年前後 |
インビザライン・コンプリヘンシブ | 重度の不正歯列 | 最大99枚 | 1年~3年前後 |
上記のように、全体矯正はインビザラインの種類によって期間が変動するため、詳しくは担当医に聞いておくことを推奨します。
部分矯正は半年~1年
インビザラインの部分矯正は、半年〜1年ほどかかるのが一般的です。
ただし、インビザラインの種類によって治療期間は前後するため、次の表で目安となる部分矯正の期間も把握しておきましょう。
種類 | 症例 | 枚数 | 期間 |
---|---|---|---|
インビザライン・エクスプレス | ごく軽度の不正歯列 | 最大7枚 | 3ヶ月~4ヶ月前後 |
インビザライン・ライト | やや軽度の不正歯列 | 最大14枚 | 最大5ヶ月程度 |
インビザライン・GO | 比較的軽度の不正歯列 | 最大20枚 | 最大7ヶ月程度 |
上記のように、部分矯正もインビザラインの種類によって期間が変動するため、詳しくは担当医に聞いておくことを推奨します。
保定期間が1年~2年
インビザラインは、保定期間として1年〜2年ほど見ておかなくてはなりません。
保定期間は、矯正治療終了直後で不安定な状態の時期に歯が移動しないよう固定する期間のことで、その期間に正しく固定できるかどうかで歯並びが綺麗に整うかが決まります。
矯正治療終了直後は歯が元の位置に戻ろうとする力が働くため、不安定な状態のまま放置していると、せっかく綺麗に整えた歯並びも崩れやすいです。
この現象を「後戻り」と呼び、歯科医院では後戻りしないよう1年〜2年は保定するのが一般的となっています。
特に矯正治療終了後は、1日20時間以上の保定装置の装着が必要となるため注意が必要です。
インビザラインの期間が長くなる理由
インビザラインは状況によって期間が長くなります。ここでは、インビザラインの期間が長くなる理由について解説します。
抜歯が必要な場合
抜歯が必要な場合、インビザラインの期間が長くなります。抜歯は一度に片側1本〜2本を抜くのが一般的で、一度で両側2本〜4本を抜くのは稀です。
そのため、複数の抜歯が必要な場合は必然的に期間が長くなると覚えておきましょう。
虫歯・歯周病がある場合
虫歯・歯周病がある場合も、インビザラインの期間が長くなります。虫歯・歯周病があると歯列矯正はできないため、治療が完了してから矯正を開始するのが一般的です。
歯列矯正を考えている方は、虫歯や歯周病にならないよう普段から歯磨きを徹底しましょう。
奥歯が噛み合わない場合
奥歯が噛み合わない場合は、奥歯全体の調整が必要となるため必然的に治療期間が伸びます。奥歯の矯正は部分矯正では難しいため、全体矯正になると覚えておかなければいけません。
歯槽骨が頑丈な場合
歯槽骨が頑丈な場合は歯全体の動きが悪くなるため、想定より治療期間が伸びることがあります。骨密度は個人差があるため、人によって歯の動きが変わることも覚えておきましょう。
叢生が重度の場合
叢生が重度の場合は歯の位置が大きくずれているため、元の位置に戻すだけで相当な治療期間を要します。顎が小さい患者は、抜歯の必要もあるため治療期間も伸びやすいです。
装着時間が足りない場合
インビザラインは、装着時間が足りないと治療期間が長くなります。
インビザラインで使用するマウスピースは自由に着脱可能ですが、原則は24時間、食事や特別な理由がない限りは装着し続けなくてはいけません。
担当医に黙ってこっそり外していると、計画通りに治療が進まなくなるため注意が必要です。
マウスピースが破損・紛失した場合
マウスピースが破損・紛失した場合、インビザラインの治療期間は伸びてしまいます。
通常、インビザラインで使用するマウスピースは一括で制作するため、一部が破損したり紛失したりするだけで作り直しが必要です。
マウスピースの再製作には数日〜数週間を要することもあるため、破損・紛失には十分に気を付けましょう。
インビザラインの期間を短くする方法
インビザラインは状況によって期間を短くできます。ここでは、インビザラインの期間を短くする方法について解説します。
矯正方法を検討する
インビザラインの治療期間を短くするなら、いくつかの矯正方法を検討しましょう。
例えば、全体矯正と部分矯正では治療期間に数ヶ月〜数年ほどの差が出るため、治療期間を短くしたい場合は一部の歯を動かせないか検討するのがおすすめです。
全体矯正は歯全体を動かさなくてはならないため治療期間も長引きますが、部分矯正は一部の歯のみを動かすため治療期間を短縮できる可能性があります。
組み合わせ治療を検討する
治療期間を短くするなら、インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせるのも効果的です。
例えば、初期段階で歯並びを整えるためにワイヤー矯正を活用し、細かな咬み合わせはインビザラインを活用するなど、いくつかの治療方法を組み合わせると時間短縮になります。
加速矯正装置を併用する
加速矯正装置を併用すれば、矯正期間の短縮が可能です。
加速矯正装置は「光加速矯正装置」と「振動型加速矯正装置」の2種類があり、的確に取り入れることで歯の移動に必要な期間を最大60%〜70%ほど短縮できます。
iTero導入医院を選択する
iTero導入医院を選択すれば、矯正期間の短縮が可能です。
iTeroは口腔内スキャナのことで、3Dスキャニングをはじめ口腔内のデータの取り込み、歯型データの取得、治療のシミュレーションなどが可能となります。
型取りも従来のシリコン素材に頼らない分、大幅な時間短縮になるでしょう。
口内環境を清潔に保つ
治療期間を短縮したいなら、口内環境を清潔に保つことも忘れてはなりません。
虫歯や歯周病があると、先に治療を済ませてから歯列矯正に入ることになるため、タイムロスとなります。
一方、口腔内を健康的な状態に保っておけば治療の必要もなく矯正開始がスムーズです。同様の理由から、矯正に使用するマウスピースも清潔に保ちましょう。
マウスピースを丁寧に扱う
治療期間を予定通りに進めたい場合、マウスピースは丁寧に扱うことが重要です。
雑に扱って破損したり紛失したりすると、再度マウスピースを作り直すだけでも時間がかかるだけでなく、それに伴って治療期間も延長されてしまいます。
マウスピースの装着時間を守る
治療期間を予定通りに進めるなら、マウスピースの装着時間を守ることも欠かせません。
インビザラインでは患者の歯並びに合わせてマウスピースを作成し、1枚ずつ交換しながら徐々に歯列矯正していくのが一般的なため、装着時間はきちんと守ることが求められます。
担当医が決定したマウスピースの交換時期もしっかりと守りましょう。
スケジュール通りに通院する
インビザラインに限らず、歯列矯正はスケジュール通りに通院することが絶対条件で、自己判断で通院をやめることはできません。
担当医は最初から最後まで治療計画を滞りなく進めるために入念な計画を立てているため、スケジュール通りに通院しないと本来の予定期間で終わらない可能性があります。
どうしても途中でやめたい場合は、担当医と話し合いを行ったうえで判断しましょう。
インビザライン矯正のQ&A
最後に、インビザラインの気になる疑問をQ&A形式で紹介します。
1ヶ月の移動幅はどれくらい?
インビザラインの1ヶ月の移動幅は、目安としては1ヶ月で最大1mm程度といわれています。
しかし、これはあくまでも一般的な移動幅であるため、本人の歯の動きやすさや装着時間の長さ、歯並びの状態によって変わります。
クリニックによっては1〜2週間ごとにマウスピースを交換するよう設定しているところが多いですが、順調に歯が動いたとしても1ヶ月で0.5mm〜1.5mm程度が限界です。
詳しくは、治療計画の際に担当医へ質問してみましょう。
交換頻度や平均枚数はどれくらい?
インビザラインの交換頻度は1〜2週間に一回程度、平均枚数は1年間で40〜50枚程度です。
歯列矯正は担当医が症例を見ながら判断していくのが基本で、微調整のために交換頻度を早めたり、平均枚数を追加したりすることもあります。
「交換頻度は〇週間に一度」「平均枚数は1年間で〇枚」とは断言できないため、担当医の計画に従いながら、全体でどれくらいになるのか聞いてみましょう。
年齢制限はある?何歳からできる?
インビザラインに年齢制限はなく、何歳からでも開始できます。
ただし、年齢によって使用するインビザラインの種類が変わる場合もあり、6歳〜10歳の小児に対しては「インビザライン・ファースト」と呼ばれる種類を使用するのが一般的です。
インビザライン・ファーストは、「第一大臼歯(6歳臼歯)が生えていること」などいくつか条件があるため、併せて担当医に確認しておいてください。
治療中の歯があってもできる?
インビザラインは、治療中の歯があっても処置済みであれば問題はありません。
ただし、重度の虫歯や歯周病では矯正装置が装着できず、マウスピースの着脱時に欠けたり折れたりする可能性がある場合は治療を優先することもあります。
他にも、ブリッジや連結冠で2本以上をつなげているものは歯の移動が困難なため、状況を見ながら担当医の判断が必要です。
歯を削ったり抜いたりする?
インビザラインでは、歯を削ったり抜いたりすることがあります。
歯並びが悪い人は、「歯が大きいこと」や「顎が小さいこと」が原因となっている症例もあり、綺麗に並ばせるためにはスペースの確保が必要不可欠となることも多いです。
ただし、歯を削る範囲は髪の毛数本分程度であるため深刻に考える必要はありません。不安や心配がある場合は、一度担当医に相談してから開始の可否をご判断ください。
まとめ
インビザラインの治療期間は準備期間が数週間〜数ヶ月、その後の全体矯正に2年〜3年、部分矯正に半年〜1年ほどかかるのが一般的です。加えて、保定期間が1年〜2年ほどあります。
しかし、担当医の指示通りに矯正装置を着用しなかったり、マウスピースをなくしたりすると治療期間は長引きます。一方、正しく着用すれば、治療期間を短くすることも可能です。
AKIデンタルクリニック・矯正歯科医院では、インビザラインやワイヤー矯正をはじめとする歯列矯正に対応しており、的確な期間で治療できるようサポートしています。
当院はインビザラインの種類も豊富なだけでなく、iTeroを使用した矯正治療が可能な他、患者の負担を最小限に抑えられるよう工夫しながらゴールを設定しています。
「歯並びを治したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。